【商売に軍事力】技術は戦略をくつがえすP48 "アンゾフのマトリックスを通して見る戦史"
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「多角化戦略」は、新しい戦場の開拓と新兵器の開発を両方行う戦略です。歴史上、多角化戦略が当たる例としては、初期の潜水艦や飛行機の軍事利用が上げられます。
ビジネスにおける多角化戦略は、今まで手がけていなかった新しい市場開拓と、新しい技術やコンセプトに裏打ちされた商品やサービスの開発を両方同時に行う戦略です。
例えば、今まで牛丼チェーンしか展開していなかった会社が、いきなり介護事業などに参入するなどもそうかもしれません。介護市場の拡大を見込み、自社には対象者へ食事を提供する1点しか関連性がないようなビジネス展開です。
もちろん、資本力や、ノウハウを持っている人材のヘッドハンティングなどは必須です。
それまで、戦場になるとは考えられていなかった水中や空を新たな戦場とし、そこを制するための兵器(潜水艦、飛行機)を開発したという、ものでした。
今までは、安定しないから通信には不向き(固定網と較べて)とされた移動体通信。しかし、そこに新しい技術のハンドセットが開発され、インターネットというキャリア網とは正反対のプロトコル特性をもったネットワーク技術を融合したのが、日本のケータイであり、技術的にも市場的にも世界を先行したのはNTTドコモの開発したiモードでした。
無線網+小型ハンドセット+TCP/IP+コンテンツが新しいモバイルインターネットという世界を切り拓き、一時はグローバル市場をも先導したのは記憶に新しいです。
空間は一度戦場と認識されてしまうと元に戻ることはありません。新たな空間を制する手段の研究開発がはじまり、戦いは途切れることなく続いていくからです。
モバイルインターネットが、巨大マーケットとして認識をされると、通信チップメーカーのクアルコムがCDMA技術で第三世代の無線通信の覇権を握り始めました。電源制御なども含めた技術でスマホ時代のチップセットもクアルコムが覇権を持っています。
また、iPhoneとAndroidがスマートディバイスとして登場させたモバイルインターネットは、瞬く間にケータイを駆逐しモバイルインターネットのパラダイムシフトを作り上げました。
しかし、そのスマホの提供しているサービスの基礎となるコンセプトの多くは、iモードが作っていったモノだとも言えます。
多角化戦略をとる際には、MarketとTechnologyに対して洞察力持った人間がリーダーシップをとること。そして、無駄だと思われる研究開発に対して投資を続けられる資力と胆力がない限りは取れない戦略とも言えます。
しかし、ひとたび新しい空間を見つけられれば先行者利潤は莫大なものになります。
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