【商売に軍事力】勝つための状況判断学 P26 "「何をすべきか」と「何ができるか」"
「目的に寄与するためには、何をしなければならないか」を考察し,それを達成する方法を経験則に当てはめるという「演繹法的思考過程」を米軍では使い、ドイツ軍もフランス軍も第二次世界大戦当時は同様であった。考え方が違っていたのはイギリス軍で、彼らは「遠くの目的に向かって何ができるか」の選択肢を書きあつめて、もっとも容易な道を選択するという「帰納法的思考過程」を使っていた。
ある命題、つまり「何のために」「どうすればよいか」に対してどのようにアプローチするのか、色々な経験則もあり人それぞれで同じ目標でも異なります。
営業活動でも、同じ条件「マーケット・ターゲット」として「期日・金額」を同時に与えてもやり方が異なり立ち上がりスピードや、成果の獲得時間も結果も異なるのはわかると思います。
営業活動をする中で、「なんでその数字を上げなくてはならないのか」という目的部分と。「いつまでにどのくらい成果を取らないといけないのか」という目標部分があります。
目的を見失った活動ほどチームは疲弊し、モチベーションの維持に余計な労力を掛けることになります。
その為に「何のためにその活動はあるのか」というあるべき姿を設定し、目標数値の先に最大の意義を常に照らしておく。そして、そこに向かって一生懸命顧客との関係性構築を進めていく。
しかし、えてしてきれい事に聞こえがちな「あるべき姿」を前面に出す活動は、現実的な障害に一進一退を繰り返すこともあります。
かといって、やれることをとにかくやるというスタイル。これも正しい方法ではあるが試行錯誤の繰り返しや目的喪失にも繋がり兼ねない。しかし、何らかの成果は日々上がるので現場の人間には判りやすい手法でもある。
しかし、あるべき姿を考えずに目標に向かってできる事をできる事から、できる人から、できるところからやっていると、本当に近道であるかどうか、自分達の存在意義はなんであるか、ふと気がついた瞬間の抵抗感や盲目感は強い場合がある。
理想のないチームはつまらない。現実を見ないチームは勝てない。
どうすれば良いのか。
そこで、米陸軍参謀許雄部では学者を集めて状況判断の思考方法を作成し、マニュアル化した。この思考過程は、前段で「何をすべきか」(演繹法)を考え、後段で「何ができるか」(帰納法)を考える方法で、命題→前提→分析→総合→結論という五段階になっている。一般には「演繹的帰納法」と言われる。
結論は「バランス」と言ってしまっては簡単すぎるのですが。演繹法的なアプローチと希望法的なアプローチを両方使うと言うことです。
命題・・・目指すべき結果/何故行うのか/存在意義などの設定
前提・・・チームに与えられた予算とリソースの精査/メンバー個々の経験値の違いと得手不得手など特性
分析・・・パフォーマンスを上げるためのチーム編成/空中戦と地上戦の組み合わせ/同業他社の動向/検証可能な手法/生産性の試算
総合・・・チームメンバーが共有できる最終目標設定/チームメンバーが理解できる手法設定/最終目標の因数分解による現実的な第一目標と第二目標
結論・・・チームメンバーが活躍できるそれぞれの持ち分を活かしたアクションプラン
そしてトップのゴーサイン
現場のメンバーが現実しか見なくて、与えられた目標をクリアするとすぐに天狗になると嘆いているチームリーダーのあなた。
うちの営業リーダーがきれい事は言うんだけど、現場の仕切りが上から目線で下がついてこないんだと嘆く経営層のみなさん。
演繹的帰納法をチームに取り入れ、理想と現実の狭間で苦しむのではなく、チームを理想と現実の両方のパワーを両輪に進めるスタイルにしませんか?
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