【商売に軍事力】補給戦 P10 "歴史家の怠慢"
兵站術とは十九世紀の著名な軍事理論家ジョミニによって、「軍隊を動かす実際的な方法」と定義されているが、彼はまたその定義の下に、「補給隊を連続して到着させるように準備をなすこと」および「補給線を確立し維持すること」を包含せしめている。これらを総合すると兵站術とは「軍隊を動かし、かつ軍隊に補給する実際的方法」との定義に到達する。
現実的に言うと、戦争で1番重要なのは敵を倒し、目的を達成するための戦略ではなく、兵隊に毎日毎日食事をどう食わせるかという話しです。メシを毎日クチの運ぶ仕組みを作らずして兵は進めてはいけないと言うことです。
あと、言うまでもなく消耗した武器の補給。そして、正しい方向に進むための情報の補給。
ビジネスにおいても一緒ですが、先端での戦い方や大将の作戦立案に焦点が当たることがどうしても多い。色々なビジネス書だけではなく戦史でも、食事の補給などに焦点が当たることは少ない。
チームが目的に正対し、困難な状況にも一致団結して立ち向かう。肉体的な疲弊だけではなく精神的なプレッシャーも緩め、楽観的かつ現実的に行動できるマインドを作る。
そのための様々な「物(リソース)」と「事(インフォメーション)」を補給し、「芯(ビジョン)」と「命(ミッション)」を共有する仕組みがチームには絶対に必要です。
営業チームを作るときに、どうしても直接的に稼ぐことに目が行きがちで、お客様と接する部分ばかりをどうするかを考えるマネジメントが多い。
その先頭の穂先にいる人をどう支えるか。アシスタントという補助者ではなく、営業する人たちと同等のスキルとマインドを持つ人を配置をしないといけません。
同等のスキルやマインドを持っていないと、先頭に立っている人たちに絶妙のタイミングで情報を提供したり資料を先回りして用意することはできません。
同等のスキルを持っているなら、お客様との接点を増やすためにその人たちも前線にだそうと考えるマネージャーが多くいます。少しでも売上を増やすためには、顧客との接触頻度を上げるのは鉄則です。
しかし、最前線だけが顧客接点でしょうか? 点で物を見てはいけません。線と面の感覚を持ちましょう。全員が前線に出てしまい、後方部隊が補助者だけで正しい補給ができるのでしょうか?
そもそもマネージャーのあなたは、拠点で何をやっているのでしょうか? 補給部隊も自立的に、能動的に営業最前線に補給をしてくれた方が本来のマネジメントができるのではないでしょうか?
拠点にいるアシスタントを動かすのがマネージャーと勘違いしている営業マネージャーが多すぎです。
本来の営業マネージャーの仕事は、チームの目標を達成するために上位部門から現場に必要な予算や人員を獲得するのが第一義ではないでしょうか? そして日々刻々と変わる状況に、マネジメントとしてのフォローと微調整を行う。
営業チームのマネージャは、後方にいてくれる補給部隊をどう作るか。最前線の戦闘部隊と同等のスキルやマインドをもつ人を、どう育て配置するか。
ここに着目をしないと、最前線も、拠点の後方部隊も疲弊するばかりと言うことに気がつかないといけません。
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