【商売に軍事力】勝つための状況判断学 P88 "見方、考え方に影響する「大陸性向」と「海洋性向」②"
前回記事の
ので結論
チームの中をいったんキッチリと線を引けるくらいに攻めるメンバー、守るメンバーに分ける。その上で滲みと糊代をチームワークとして設計する。
【商売に軍事力】勝つための状況判断学 P88 "見方、考え方に影響する「大陸性向」と「海洋性向」①" - MAKUHARI BASE ACADEMY/exon.co.jp
営業チームもマーケットのシェアや、ライバル動向、お客様動向などなどで、変化をしていかなくてはなりません。
立ち上げの時期は、当然攻めて攻めてライバルから顧客を奪還する。お客様リストを作るために奔走するなどなど。
しかし、作戦も功を奏し市場でのシェアも獲得しプレゼンスも上がる。ハッピーな状況。
こうなってきたときに、基本方針をどこに持ってくるのか? 攻めから守り(囲い込みも攻めという考えもあるという話しはとりあえず横に置きます)にどのように戦略を変化させていくか。
その中で基本的なチーム、もしくは組織戦術の重心をどっちに置くのか。また、それに合わせてメンバーの行動指針をどう設計するか。
当然、攻めをやめるわけにはいきません。営業活動は常に新規開拓の旗を降ろしたらおしまいです。
新規開拓というのは、何も新しいお客様と言うことだけではありません。既存のお客様に一般的にはアップセルとも言われますが、異なるコンセプトやテーマのソリューションを提供する。商品やサービスの継続的なリプレースとは全く異なることです。
攻めの風土を進化させつつ、収益基盤となった既存顧客をどう維持するか。もちろん、新しい空気を呼び込み、将来のリスクヘッジとしてのド新規の顧客開拓もしなくてはいけません。
営業チームは必ず、二面性の戦術を展開できる設計をしなくてはいけません。片足戦術は、スタートしたばかりの時期とか、何か突発的な状況でもない限り取るべきではありません。
そのためにまずしなくてはいけないことは、メンバーの特性をしっかりと把握すること。営業活動をヒトという資源で行う以上は、どれだけスタッフ個々人に活躍して貰えるのかを主眼に寄り添う。
よく言う話しですが、攻めに向いているヤツと守りに向いているヤツ。向き不向きというレベルではなくても、得手不得手は必ず存在します。
1人担当ではなく、拠点に複数人で構成するチームが存在するならば、役割分担なのか、主従なのかは状況に応じてとなりますが、攻め担当と守り担当は「まず」役割の線を引くのが望ましい。
向き不向きが存在する中で、向いていない役割を持たされたらメンバーは心地よく動くことができるでしょうか?
向き不向きは、持って生まれた行動特性や、コミュニケーション特性がベースになってスキルが積み重なってできてきます。
例えば少し極論ですが、お客様からの質疑や応答の問答も含め事前に準備をできないと訪問に出ていけない人。
こういう特性を大なり小なり持っている人はいると思います。
こういう特性を持っているメンバーを新規開拓に回す事をどう考えるかです。
続きます。
ちなみに「大陸性向」「海洋性向」の意味合いは
「大陸性向は陣地を取ればそこを守るのが主題となりリーダーは調整型に進化していく」
「海洋性向は、常に状況が流動する中で最善のポジションを積極的に探し出し、リーダーは鼓舞型に進化していく」
という捉え方を第一義としてしています。
実は、リーダーの在り方とは反面のメンバーの在り方は「大陸性向」と「海洋性向」では一般的に思われているイメージと異なります。
ここも、改めて書きたいと思います。
【商売に軍事力】勝つための状況判断学 P88 "見方、考え方に影響する「大陸性向」と「海洋性向」①"
大陸国家の人々は大地の恩恵で生活をしている。すなわち、「土地」の価値が根本となっている。当然、土地の囲い込み「領地」が争いの目標になる。
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もし、民主主義国家を造っても、厳密な土地の支配を基礎にしている以上、その民主主義は「利害交渉型」となる。そこには、議長のような調整型のボスが選ばれても指導型のボスは選ばれない。
法人営業にも攻めと守りの傾向のある営業スタイルや方針があります。けっして店舗が守りで法人は攻めとかいう話しではありません。もちろん、店舗営業にも攻めもあります。
誰しも、営業を始めたときは攻めからはじめるはずです。チームとしても立ち上げのときは攻めが基本線のはずです。はじめから守るべきモノはないと言うことです。
しかし、チームが立ち上がり、成果も上がりある程度の基盤ができるとどうしても人間は保守的な指向が走り始めます。ライバルの参入を阻止するために顧客を囲いこむという指向です。
正しい指向です。顧客の囲い込みをすることは特にストック収入のあるビジネスモデルの場合は生命線です。
しかし、これだけ変化の激しい世の中、技術環境や経済動向でお客様の要望もライバルのやり口も進化します。
そのなかである程度の収益基盤ができたからと言って、守りを最重点方針にすることは避けるべき事です。
優先項と重点項をしっかりとチーム内で議論し共有する必要があります。
ある程度の収益基盤ができあがったときにこそ、チームの体質を進化させるチャンスです。
そして、その進化で大事なことは、守りと攻めを同じ人に任せないことです。よくある落とし穴です。
個人個人に攻めと守りの目標を等量で持たせる間違いをするチームが多い。
その結果、チームの個々で全体で混乱が起きてくることが殆どです。
結論は次のブログに書きますが、攻め(海洋性向)と守り(大陸性向)をチームメンバー
個々人の特性に合わせて配置をする。
その上で、チームの中をいったんキッチリと線を引けるくらいに攻めるメンバー、守るメンバーに分ける。その上で滲みと糊代をチームワークとして設計する。
営業担当者は全員が攻めが得意とばかり思わないことが、チームリーダーだけではなく事業部門を設計する人には求められます。
続く。
【商売に軍事力】クラウゼヴィッツ戦争論入門 P141 "戦略における攻撃と防御の関係"
戦略上勝利を得る要因は、戦術上の三つの要因に加えて、新たに三つをあげることができる。
すなわち、
(1) 地の利
(2) 奇襲---敵の予測しない地点に加えるものと、敵の予測を超える兵力の投入
(3) 多面攻撃
(4) 要塞および要塞に付随するものによって確保されている拠点の利用
(5) 民衆の協力
(6) 偉大な精神力に訴えること
ビジネス的に言えば「地の利=ポジショニング/エリア」「奇襲=タイミング」「多面攻撃=ストーリー」
そこに、上記の(4)から(6)までが加わることが大事と言うこと。
精神論をバカにする向きもありますが、人間の精神の力は火事場の馬鹿力ではありませんが、予想せぬ好結果をもたらすときがあります。
しかし、精神力にはじめから訴えるのは本末転倒。先ずはロジカルに準備をすること。マーケティングをしっかり行うことと、営業としての基本動作やツールをチェックすること。
法人営業のチームリーダーは、その上でチームメンバーの精神的な安心領域を確保すること。
この安心領域があってこそはじめて精神論は生きてきます。
安心領域をどう作るかが、法人営業チームの最近は肝だなとつくづく感じます。
チームメンバーを育成することなく使い減らしする。
チームメンバーを常に精神的緊張状態におく。
チームで上げた利益を自分に寄せる。
不毛な精神論をさもロジカルな風に見せる。
チームの役割分担に貴賤をつける。
リーダーとして常に上位意識で接する。
・・・・・・他にも
チームメンバーが逃げ込めるのを自身の内側ではなく、チームの中にみんなで自由に出入りできる風土を作れるか。
ここがあってこその精神論です。精神論は、一般論です。しかし、その一般論が当事者論に聞こえるようにするチカラがチームリーダーには求められます。
そんなチームリーダーを育てたい、経営層や事業部門長の皆さん、遠慮無く
へお問い合わせ下さい。
時間はかかりますが、しっかりと法人営業チームが安定的に成果を上げ、離職率も低下する風土に変えられます。